令和8年佼成4月号 会長先生ご法話によせて

「菫ほどな小さき人に」

 人はみな、各自、この世にただ一人の尊い存在です。そのことに気づくと、有頂天になって抱(いだ)く野心(やしん)や、他と争うことがいかに愚(おろ)かなことかわかります。同時に、自他を尊重すること、つまりみんな仲よく生きることが、人間として生まれてきたことの意義であり、その上さらに、「感謝と慈悲(じひ)の心が何よりも大事」と教えられる意味がよくわかってくるのです。

 私は、このみ教えに出会う前は、自分ひとりで生きているという、とても驕慢な思いでした。連綿と受け継がれた命で、今の自分が生かされていると分からせて頂いて、とても尊い事だと気づかせて頂きました。その日にお出会いするたくさんの人たちも、自分と同じように尊い存在なんだと思えるようになりました。とはいうものの、まだまだ、苦手な方もおられますし、話もしたくないと思う方もおられます。そのような人に対して、その人の、少しでも良いところを見つけようと、努力しようと思えるようになりました。この人のおかげさま、この人を大事にしたいと思えるよう、努力させていただきます。

 私たち仏の教えを学び生きるものからすると、人間の本性は仏性(ぶっしょう)にほかならず、そのことを各自が自覚し、その仏性を発揮するとき、私たちの人生は花と同じく、本文をまっとうしたことになるということです。そこに、人が人として生まれてきた大きな意義があります。

 常不軽菩薩品では、とりわけえらくもない一人の人間が、ただひとつ「仏性礼拝」という美徳を行じただけで、真の信仰を自得し、そしてついに人格完成にまで至った。と、教えて頂いています。自分の持っている良いところ、仏性を自覚して、それを生かしていける自分になりたいと強く思わせて頂きます。そして、自分にもこんな良いところがあると、自分の仏性を認め、ほめていけるようになりたいです。自分にある仏性は必ず他の人にも平等にあることを自覚し、認められる私にならせて頂きたいと思います。常不軽菩薩のように、仏性礼拝行に徹せられる自分になれるよう精進させて頂きます。

合掌
甲賀支部 
K.T

(太字は会長先生のご法話4月号より引用)

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