今月の会長先生のご法話は『身心を養う「食」とは』です
〇四つの栄養
仏教では、ほどほどの量の食事を感謝とともにいただくことを大切にしています。その感謝は、あらゆるご縁によってもたらされた食材を無駄にしない工夫や命を尊(とうと)ぶ心につながるものです。
さらに仏教で特徴的なのは、身心を健康に保つ「栄養」を、口からとり入れる飲食物だけとは見ていない点です。
では、仏教でいう飲食物以外の「栄養」とは何か―。
その一つは、眼耳鼻舌身意(げんにびぜつしんい)という感覚器官をとおして、体や心に受ける情報という栄養です。これは、とり方によって、私たちの欲や怒りの心を育てることもあれば、穏(おだ)やかな心を育てる滋養(じよう)にもなります。
食をとおして元気に生きている私達に、心身をもっと健康にと教えて下さっているのが「食べ物からの栄養」「心を養う栄養」を、と戴いています。
高齢者となって考える時に、子どもの頃、親からの言葉に「食べ物は好き嫌いなく何でも食べ、よく噛んで食べることは心身も鍛えられるのだ!」
親から伝えられていた仏教の教えに感謝です。
〇何ごともバランスよく
「ただ生きる」のではなく「健康で幸せに生きる」ことは、人間に与えられた一つの特権です。その本領(ほんりょう)を発揮するという意味で、釈尊は「真実(真理を説くこと)は、諸々(もろもろ)の飲料のうちですぐれて甘美(かんび)なるものである。明らかな智慧(ちえ)によって生きる人を、最上の生活と呼ぶ」と説かれました。仏の教えを学び、人にも伝え、あらゆるおかげさまに感謝して生きるなかに、健康で幸せな人生があるということです。それは、たとえば食事の際に「いただきます」と手をあわせる一瞬に育まれるといえるのです。
食べ物に不自由なく、何でも食べられる幸せに、あらゆるおかげさまに感謝、感謝です。
幸せで健康に生きることを教えて戴きました。ありがとうございました。
合掌
湖南支部 壮年部 N
(太字は会長先生ご法話 佼成7月号より引用)
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