6月 会長先生ご法話に寄せて

「会長先生御法話 季節の風物に心を寄せて」 

自然にふれて感性を磨く

大都会といわず地方の小都市といわず、私たちの暮らしは、つねに自然の営(いとな)みとともにあります。私が十年ほどすごした新潟県の菅沼(すがぬま)でも、冬になれば雪が降り、夏が近づくと田植えをしてといった具合に、暮らしはいつも自然とともにあって、私も子どもながらに農作業を手伝い、鎮守(ちんじゅ)さまでの盆踊りやお祭りなどの行事を楽しみにしていました。
 どれだけ時代が移っても、四季折々の自然や風物はつねに生活と密接に結びついているのですが、それがいかに貴重なことかを私たちは忘れがちです。季節の訪れを告げる草花や昆虫の生命力に目を見張り、大自然の織(お)り成(な)す美しさに感嘆(かんたん)するようなことも、大都会では少なくなります。(佼成6月より)

 今月の御法話のテーマが自然と云うこともあり、私の仕事に相通じるモノを感じました。昨年より自然の中(と言いましても、大人がたしなんだり、メジャーなスポーツが行われる競技場の一部ですが)で仕事をする機会が増えたからです。毎週、山へ行き、自然に囲まれた中で仕事をしております。
 その施設は人工物でありますが、汚れた水をきれいにする肝心な部分は、真に自然だと思うからです。自然の中で、汚れた水をきれいにする施設の維持管理という仕事をさせて頂いている自分に「自然」をテーマとした御法話を読ませて頂き、寄稿させていただくことに、誠に有り難いご縁を頂いたと感謝しております。

 さて、私の住んでおります地域は、自然に囲まれたのどかな所であります。ここ数十年の間に、すっかりと開発が進み、山や丘が一つの街になりましたが、それでも自然豊かな里山が近所にあり、季節の風物を感じさせていただいております。

黙々と真理を実行する自然

 また、レイチェル・カーソンの言葉は、美しいものや神秘的なものを見て「きれいだな」「不思議だな」と感動できる感性があれば、苦しみや悲しみさえ乗り越えることができると教えています。
豊かな感性は、苦悩(くなん)から救われる道をみつける柔軟(じゅうなん)な心のはたらきにも通じていて、そのことによって命尽(つ)きるまで生き生きとすごせるというのです。
(佼成6月より)

『美しいものや神秘的なものを見て「きれいだな」「不思議だな」と感動できる感性があれば、苦しみや悲しみさえ乗り越えることができる』
今月の御法話の中で、一番感銘を受けた部分です。なぜ、一番感銘を受けたのかといいますと、この頃の普段の生活の中で、ついついネガティブシンキング(後ろ向き)になりがちな自分に、ポジティブシンキング(前向き)を思い出させていただいからです。会社では、以前まで融通が効いていた部分が効かなくなり、時間がなくなり、限られた時間の中で時間に追われ、一向に仕事が片付いていかない状況でした。今回の御法話を拝読させて頂き、心を亡くした状態の私に、「これも神仏のお計らい」という究極のポジティブシンキングを思い出させて頂きました。仕事上、家庭等でネガティブな事があっても、毎週、自然の中での施設で仕事をする時、自然に触れられることにも感謝していこうと思います。

 地球は水の星ともいいます。表面積の7割が水(海)です。海、湖沼、河川のいずれも私達に見せる姿は違うように、仕事で維持管理している施設の水も全く同じ時はありません。これも真理だと思えるようなりました。大自然には、秩序が崩壊して、あらゆる状態が悪化しても、時間が経てばやがて元に近い状態に戻ろうとする働き(真理)があります。私も大自然に倣い、仕事に関わる水、その他の諸所の状態が悪くなっても、ポジティブシンキングで良くしていこうと思いました。

 今の仕事に就く前、私は住宅設備の修理業をしておりました。
心が病みかけておりましたが、自然の多い地域で、水をきれいにする設備の維持管理業をすることで、立ち直る事ができました。これも一年近くその地域で過ごして自然と季節の風物に触れた事だと今でも思い、感謝も忘れません。

                                  合掌

             大津支部 T.K
(太字は会長先生ご法話 佼成6月号より引用)

当月の会長先生のご法話はこちらからご覧いただけます。