今月の会長先生のご法話は
健康と元気は「心」から です。
体と心は深くつながっている
外出の機会が減ったここ数年、家に籠(こも)ることが多くて運動不足だという人は少なくないと思います。歩かないと足の筋肉も落ちてきますから、少し歩くだけでも疲れやすく、それでますます外出するのがおっくうにもなりがちです。
その筋肉については、筋肉の量の多い人ほど長生きができるという報告があるようです。筋肉と、免疫や血糖値との関係などからそのようにいえるそうですが、加齢とともに筋力が衰えてくることは私も実感するところなので、酷暑(こくしょ)の夏は別にして、健康のため一日一時間ほどの散歩はいまも続けています。ただ、健康維持に欠かせないのは、何も「体の筋肉」の鍛錬(たんれん)だけではないように思います。
筋力も衰えが見え始め、スクワットを日課にして体力の維持に努めている次第です。
「健康の三原則」
まず一つめは、「心中常に喜神を含むこと」です。喜神の神とは、深く根本的な心のことです。
つまり、いつも心の奥深くに喜びをもつということですが、それは、目の前で起こる一つ一つのできごとを、仏の説法を頂戴する気持ちでつねに悦びをもって受け入れるということではないでしょうか。
たとえ苦しくても「仏さまはいま、私に何を教えてくださっているのだろうか」と、目の前の現実を前向きに受けとめるとき、その苦しさの向こうに救いの光があることに気づいて、私たちの心は磨かれ、成長するのです。
「心の筋肉」を落とさないための原則の二つめは、「心中絶えず感謝の念を含むこと」だといいます。たしかに、「ありがたい」という感謝の思いは、その言葉を口にするだけでも私たちにいつも新鮮な感動をもたらしてくれます。
三つめは、「常に陰徳(いんとく)を志すこと」です。これは実際に人知れず善い行いをすることだけにとどまらず、日々の暮らしの中でふれあう人を思いやることも、相手の利益や幸せを願って「まず人さま」の実践を心がけることも含まれると思います。そして、このような心になれば体も健康になるという意味で安岡師はこれらを「健康の三原則」というのです。
ただ、私たちからすれば、この三つが心に修まっている人をこそ菩薩と呼ぶのではないでしょうか。
小学生のころには、親指をケガした時には何々が足りないとか、足首を捻挫したら何々に感謝していないと、事が有る度に母から云われたものです。その頃は何も解らずにいましたが「ご法は聞くだけで毛穴から入るもんだよ」と生活の中で常に云われていました。そんな母も今年の一月に満90才の人生を全うしました。
人生は菩薩行ですよと口癖のように云っていました。
今になって思い出します。歌手・森進一「おふくろさん」の歌詞を・・・雨が降る日は傘になり、おまえもいつかは世の傘になれよと教えてくれた・・・
亡き父からも「長者の万灯より貧者の一灯」を解説して貰い、商いの業に邁進してきました。
日々、生活の中で「ありがたい」とか「ありがとう」と口に出していると、新たな出会いや感動と巡り合う機会が多々あります。
生活の中で『利他の心』にて相手を思いやる心で日々を送っていると、巡りとの相互関係も良くなり、腹立つこともなく、嫌なことも忘れます。
このような三原則は、商売(自営業)で生計を送っている身には、≪三方良し≫精神で「自分良し、相手良し、世間良し」と言い換えられるのです。
商売は「菩薩の行」、商売道の尊さは「売り買いいずれも益し 世の不足をうずめ 御仏の心に叶うもの」とあります。
健康の三原則を完遂することを目標に
40・50は洟垂れ小僧
60・70は働き盛り
90になって迎えが来たら
100まで待てと追い返せ
(渋沢栄一より)
を基に、日常生活に≪気≫を入れて生活しています。
ありがとうございました。
竜王支部 K
(太字は会長先生ご法話 佼成3月号より引用)
当月の会長先生のご法話はこちらからご覧いただけます。