みんなで奏でるハーモニー②
求められる自覚と役割
○すでに調和している私たち
「細胞(さいぼう)は自分が働きながら他の細胞を助けているから、臓器が働くことができます。臓器も自分の働きをしながら、他の臓器を助けている」(『致知』二〇一一年一月号)とは、筑波大学名誉教授・村上和雄(むらかみかずお)先生の言葉です。先月は、世界の現状に照らして人や国の調和を乱す心と、いま私たちに何が大切であるのかについてふれましたが、私たちの体の細胞レベルでは、ごく自然にそれぞれが他と助けあい、調和をたもっているということです。そう考えると、自分たちの細胞同様に、人間が本来もつ調和する力を発揮しさえすれば「世界平和も不可能ではない」と理屈(りくつ)ではいえますが、それが容易でないことはだれもが知るところです。
それでも、次のどれか一つでもととのうなら、人類の調和も世界の平和も夢ではないと私は思うのです。
一人ひとりが日々を感謝でおくり、家族みんなが仲よく暮らし、それが隣近所にも影響して地域の人びとがなごやかにふれあう。さらに、平和でだれもが安心して生きられる国として他国からも信頼され、睦(むつ)まじい関係を築く--。
自らの身体を見つめさせて頂き、今迄に調子の悪いところ、今も痛いところ気になるところを、ここが治ったら楽なのに、ここが有るから苦しんだと、思っていました。しかし、この体を何とかと、身体全体の細胞から互いに助け合い協力して、生かそうとしていただいていたことに深く感謝させて頂きました。私たち一人ひとりが、戴いた身体が助け合い調和をとって生かそうしているのにその体をつかって戦争を起こしている事に不道理を思います。家庭を見つめますと身体とおなじように自己中心の行いをしている私がいます。自分では、良い事と思い、行なったことが反感をよび、「自分を守ろうとしている。」と、指摘されました。その通りだなと反省して、家内の思いを聞く姿勢と私の思いも伝えていない自分に気付き、意識を持ちながら行動しています。
○「国を愛する心」の真の意味
ところで、みなさんは日ごろ、それぞれの家庭や地域、学校や職場でどのような役割を担っているでしょうか。他を助けるどのようなはたらきをしていると、自覚しておられるでしょう。なぜ、それをお聞きするかというと、先の細胞の例にならえば、それぞれが自分の役割をはたし、利他(りた)のはたらきをすることで調和がたもたれるからです。
~中略~
理論物理学者の佐治春夫(さじはるお)さんが「混乱する社会を救う言葉」と教えてくださる「ありがとう、おかげさま、お互いさま、ごめんなさい」をみんなが素直に伝えあえれば、その調和は長くたもたれるはずです。
以前、地域の役をさせて頂いていた時、家族の事を省みず役に偏っていました。子供の進学の時期でした。何も相談にものれず子供のおかれている状況はわかっていても、真に向き合って接することが出来て無かった事が思いだされました。親として、申し訳なく思います。今も子供との溝を少しずつ取り戻そうと努力させて頂いています。今回、ご法話を何度も読ませて頂き、改めて気づかせて頂き、身体、家族に、より一層感謝させて頂きます。有難うございました。 合掌
教務部 H.M
(太字は会長先生のご法話12月号より引用)
当月の会長先生のご法話はこちらからご覧いただけます。
